次々閉院!静かに崩壊する兵庫県の医療 ―― 第二第三の竹田くんも現れるぞ!

  • 2025年5月18日
  • 2025年5月18日
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兵庫県の医療が、いま静かに、しかし確実に崩れていっています。
診療報酬の引き下げ、物価と人件費の高騰、そして建設費の急増。これらが複合的に絡み合い、多くの病院が経営破綻の危機に瀕しています。現場からは悲鳴にも似た声が聞こえてきますが、その声が政治や行政に届いているようには思えません。

そしてそれは決して一地域だけの話ではありません。この流れは、日本全国に広がる可能性を孕んでいます。


■ 伊丹市 近畿中央病院の診療休止検討

2025年5月、兵庫県伊丹市から衝撃的なニュースが飛び込んできました。

近畿中央病院(445床)が、2026年3月で診療休止を検討しているというのです。
同病院は、市立伊丹病院との統合に向けて調整が進められてきましたが、新病院の開院は大幅に遅れ、当初予定の2025年度中から2027年度後半に延期されています。この診療休止の判断は、事実上の閉院を意味します。

このエリアは、決して人口過疎地域や、医療確保が困難な地域ではありません。そんな病院でも、閉院という選択肢を取らざるを得ない状況が今起こっているのです。

■ 兵庫県の病院でいま起こっていること

兵庫県では、今類似のニュースが相次いでいます。

● 兵庫県立粒子線医療センターの廃止検討

最先端のがん治療を提供してきた同センターも、老朽化と利用者減少により2027年度末での撤退が提言されました。
24年で1万人超が利用した施設が、静かに姿を消そうとしています。

https://www.kobe-np.co.jp/news/society/202505/0018976797.shtml

● 三田市の新病院整備費が倍増

新たに計画されている三田市の病院は、建設費が当初の254億円から521億円に倍増
開院も予定より2年遅れて2030年度となる見通しです。
建築費の高騰が、医療計画の根幹を揺るがしています。

https://www.asahi.com/articles/AST2G4QWBT2GPIHB001M.html

■ なぜこうなったのか?

● 採算が取れない病院経営

2024年度の診療報酬改定後、医業赤字病院は69%、経常赤字病院は61.2%にまで増加。
診療報酬が減少する一方で、物価と人件費は上昇の一途をたどり、多くの病院が経営の持続可能性を失っています。
公立病院の中には公金で補填されるケースもありますが、それができない病院は診療を続けられなくなってきています。

https://gemmed.ghc-j.com/?p=65621

● 建築費の高騰

建設業界では資材・人件費ともに高騰しており、新病院の建設・整備計画が次々に遅延・圧迫されています。
原因の一部には、2025年の大阪・関西万博など、大規模イベントによる資源集中も指摘されています。懐古主義的なイベントにより、現在の病院の建て替えが滞ってしまうのは本末転倒ではないでしょうか。


■ 兵庫県だけの問題ではない

たしかに兵庫県には、元々いくつかの医療的ハンデがあります。

  • 播磨・但馬・丹波・淡路など、広大な診療圏
  • 神戸大学の医局力が弱く、医師の供給が限定的

しかし、今回のような「医療崩壊」の構造的要因は、全国各地で共通しています。
経営難、建設費高騰、医師不足。これらは他の地域でも起こり得る現実なのです。


■ 医療が崩壊すると何が起きるのか

● 「医療空白地帯」が生まれる

病院が閉じ、医師が減れば、住民は近隣に医療機関がない状態=医療空白地帯に置かれます。
急病や災害時に対応できる体制が失われ、命の格差が地域によって生じます。

● 質の担保ができず、問題のある医師でも雇わざるを得なくなる

SNSで一躍有名になった「脳外科医竹田くん」が医療事故を繰り返してしまったことも、
その舞台である赤穂市が慢性的に医療崩壊状態にあったことも遠因です。
常に人手不足、常に崩壊寸前の病院では、質に問題がある医師でも雇わざるを得ず、
また、問題が起こってもコンプライアンスが機能しなくなります。


それは、患者にとっても、真面目に働く医療従事者にとっても、極めて不幸な状況です。


■ 私たちにできることは?

診療報酬が下げられると、薄利多売で維持するだとか、高すぎる医師の給料を下げた上で維持し、医療アクセスは保たれるという意見がありますが、それは非常に甘い考え方であると言えます。
コスト低減や薄利多売は、この30年間医療業界がやってきたことで、もう出尽くしています。
実際には、これからは採算割れの医療は、提供されなくなります。

この流れを止めらるには、まともな質の医療の提供には、ほかの先進国水準の正当な対価が必要であると国民全員が認識することが必要です。
「医療は当たり前にあるもの」ではなくなりつつあります。
病院が閉じ、医師が去り、次に影響を受けるのは、あなたかもしれません。

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