【悲報】日本の医療はハードランディング不可避…PONRを超えてしまった

  • 2025年5月17日
  • 2025年5月17日
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かつて世界に誇った日本の医療制度が、今まさに崩壊の危機に瀕しています。もはや、ソフトランディング(穏やかな着地)は望めず、待っているのはハードランディング(急激な崩壊)しかない。
しかし、この事態は決して突然のものではありません。何十年も前から、その兆候は明確にあったのです。

皆保険制度の限界は30年前から見えていた

日本の国民皆保険制度は、年金制度と同じく、「現役世代が高齢者を支える」という構造の上に成り立っています。しかしながら、少子高齢化が顕在化した30年前から、この制度が持続不可能になることは、明らかなことでした。

にもかかわらず、構造の見直しや改革は進まず、医療制度の根幹を揺るがすような議論も避けられてきました。

命の選別から目を背けてきた社会

生命倫理の観点から、高齢者や重度障がい者、終末期医療における「命の選別」の問題は、極めて重要なテーマでございました。しかしながら、日本社会はこの問題に向き合わず、「選別しない」という選択をしてきました。代わりに選ばれたのは、「どんな命にも、どんな状況でも無制限に医療を提供し続ける」ということでした。それは国民自身の選択でもあったのです。

一方で、高齢者は大票田であるため、政治家たちは、医療を「票を得るための手段」として扱ってきました。特に小選挙区制において影響力を持つ、人口過疎地域での支持を得るために、採算度外視の病院誘致が進められたのです。医療資源は政治的な思惑に左右されてもきたのです。

医療現場の制限と追い詰められた医師たち

1990年代以降、医療訴訟の増加により、医師たちはリスクを避けるために、患者の求める治療から外れることが難しくなりました。たとえ延命が無意味であっても、拒否すれば訴訟に発展しかねない状況。医師たちは「できる限り生かす」という選択しか取れなくなったのです。

そうして医療現場は、ぎりぎりの状態のまま長年続けられてきました。

すでに始まっている「医療崩壊」

診療報酬が上げられないまま長年低空飛行で維持されてきた医療業界ですが、昨今の急激な物価高がとどめを刺してしまいました。

保険点数の低さから、薬不足はすでに慢性化しています。血液検査なども、保険点数で規定された金額では検査会社に受けてもらえなくなりました。急激な物価高と円安が追い打ちをかけ、日本はもはや「先進国並みの医療」を維持できる財政力を失いました。

先進国並みの医療を維持できないとは、機材の使い回しや質の低い薬の流通といった、安全性に疑問の残る対応をしないと医療が提供できないということを意味します。
つまり、「それでも医療を続ける」か、「医療の提供をあきらめるか」の二択を突きつけられているのです。

医療機関の倒産と「静かな撤退」

2024年には医療機関の倒産件数が過去最多を記録し、2025年に入ってからも大型の倒産が相次いでいます。公的病院の中には「医療提供の終了」を公言する中核病院も出てきました。多くの病院が、「もう限界だ」と声を上げ、医療の提供そのものをやめ始めているのです。

誤ったスケープゴート化──「医者が悪い」は的外れ

「医療費が膨らんでいるのは、医者が儲けすぎているからだ」という声もありますが、それは全くの見当違いです。現場の医師や医療従事者は、すでに限界まで追い詰められており、「儲け」どころか「持続」すら難しいのが現状です。

現場では、看護師や医療事務などが激務・薄給に見切りをつけ、どんどん他業種に流出しています。看護学校は定員割れ、医療事務の検定は廃止されるものも出ています。一方、医師も保険診療の限界に気づき、美容などの自費診療へ転向する流れが加速しています。「直美」などと揶揄されることもありますが、それほど単純な話ではありません。

ソフトランディングのチャンスはすでに失われた

このまま医療費抑制政策を続ければ、医療の崩壊は避けられません。もしかつての段階で、延命医療の制限や超高額薬剤の使用見直し、混合診療などといった「段階的な改革」が行われていれば、事態は違ったかもしれません。ソフトランディングの余地は、たしかにあったのです。

しかし、採算割れになっても尚、医療費削減の訴えや医者への非難を繰り返すような政治家・マスコミ・国民…すでに自体は手遅れで、PONR(Point Of No Return)を超えてしまったという印象があります。

ハードランディングの先にある社会とは

ハードランディングとなれば、待っているのは「金のない人は医療を受けられず、命を失う」という超自由主義的な社会です。これは決して大げさな表現ではありません。日本の医療費は、先進国であるOECD20ヶ国どこよりも安く、中国・タイ・ブラジルなど多くの新興国よりも安価ですが、これからはアメリカ人のように自己破産の原因の半分以上が医療費となる社会が来るかもしれません。

政府がそれを意図しているのかは分かりません。しかし、確実に言えるのは――その代償を払うのは、国民一人ひとりであるということです。

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